一人でやれるコンペ必勝法第二十五話

●毎回一定スタイル確立すべき スイングルーティンの大切さ

ワッグル回数までをセットで習慣に
プレッシャーのかかる本番で生きる

いつでも自分のリズムとテンポで

 「スイングのリズムやテンポを一定に保つことが大切だ」よく言われる。打ち急いでしまったり、スイングが早くなってミスショットをするケースが多い。それでは何時でも自分のリズムとテンポでスイングするためにはどうすれば良いのだろうか。ゴルフスイング自体は2秒弱しかからない。そのスイングだけを単独でとらえるのでなく、ボールにアドレスをする前の一連の動作(プリショットルーティーン)までも含めてセットで考えることが必要となってくる。ライやコースの状況を見てクラブ選択と打つべきボールの球筋を決める。ボールの後ろに立ってターゲットを確認し、中間目標を見つけてボールに対してアドレスを取り、ターゲットを再度確認しながらワッグルを数回行う。そしてショットをする。

 このプリショットルーティーンは人によって手順の順番やワッグルの回数や時間が違うが、大切なのは毎回一定の自分のスタイルを確立し習慣づけることだ。すなわち時間にして20秒の一連の動作が、プレッシャーがかかった時や、重要な場面でのショットで慎重になりすぎて、ワッグルの回数が多くなり30秒もかかってしまっては、通常のショットを打つことができない。また練習の時からこのプリショットルーティンも含めたセットとしてショットをして、動作が自分の習慣になるまで行うことも重要だ。ちょうど車をスタートさせるときにドアを開き、シートベルトをして、エンジンをかけ、サイドブレーキをリリースして出発する一連の動作を、毎回同じようにできるまで慣れているように、ショットにおいても習慣付け考えることなく自然な動きまでなるように練習を重ねる。 

 ジャック・ニクラウスは「自分の人生のなかで目標を持たない無意味なショットをしたことはない」と言っている。「練習でのショットが、優勝のかかったマスターズ4日目の18番ホールのセカンドショットと思いこんで打つのだ」そこまで集中力を高めたショットを通常の練習時からしているからこそ、本番で使えるのだ。ショットの練習だけではなく、プリショットルーティーンも一緒に練習しよう。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)