一人でやれるコンペ必勝法第二十六話

●距離感の重要性を再度認識しよう 日米のゴルフコースの違い

フェアウエーにヤーデージ表示
毎ショットの飛距離がわかる
米国のゴルフ場

 47や48インチの超長尺ドライバーが市場で人気を集めている。しかしアメリカでは 市販のドライバーでは45インチが最も長いものである。どうしてアメリカ人より背が低 い日本人が長いドライバーを好むのだろうか。ひとつの原因は日米のゴルフコースの作りからきている。

 日本の場合、山岳地帯にゴルフコースができている場合が多く、コース の斜面に当ててボールが真ん中に戻ってくる場合がある。すなわちドライバーショットが多少ぶれても飛距離が重視される。それに対して、アメリカのコースは平な地形で、ウォ ーターハザード等の配置によりショットのぶれがペナルティーとなるケースが多い。ドラ イバーショットに於いても方向性が重視されるわけだ。それに加えて、飛ばしに命をかけている日本人ゴルファーは少なくない。

 それはドライバーだけではなく、アイアンの番 手にまでおよぶ。

 ショートホールでの使用クラブの番手競争をするために、ロフト角の 少ないアイアンが「よく飛ぶクラブ」としてよく売れている。しかし実際は、7番アイアンのロフト角のクラブが8番となっているだけのことなのだ。

 「ゴルフはターゲットゲーム」とよく言われる。A地点からB地点、B地点からC地点へボールを運び、最終的にティーグラウンドからカップまで最小打数でホールアウトをす るゲームであることはゴルファーのすべてが知っているはずなのだ。なのにもかかわらず飛ばしに固守するのは、一般道でレーシングカーを運転しているようなもの。例えば、直径30メートルのグリーンの真ん中に立っているピンに対して150ヤードのショットをする場合、距離が合えば15ヤードづつ左右にぶれてもグリーンにのる。

 しかし飛距離が15ヤードショートやオーバーの場合は、いくら真っ直ぐに飛んでもグリーンにのること はない。それだけ正確な飛距離を出すことが重要なポイントとなる。日本人ゴルファーで自分の正確な飛距離を把握している人は以外と少ない。特にロングアイアンは真っ直ぐ行 けばグリーンオーバーでも納得しているゴルファーが多い。パッティングでもそうであるが、3パットの原因は距離感のミスによるものがほとんどだ。

 アメリカでは、フェアウエーのスプリンックラーにヤーデージ表示があり1ヤード刻みでグリーンまでの距離がわかる。毎ショット正確に飛距離がわかることにより、距離に対する感覚が自然と付いてくる。距離感の重要性を再認識しよう。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)