POINT7

アドレス篇D
アドレスは、バックスイングされた直後の形

アドレス アドレス
ハンマー打法によるアドレスの特徴は、広いスタンスで両腕とシャフトが一直線になった構えだ。そして最大の特徴は、バックスイングの始動部を省略した構えだ。

シンプルなスイングは構えによってできる

ハンマー打法によるアドレスの特徴は、両腕とシャフトが一直線になるように構えることと、前回説明した広いスタンス。それに今回説明する構えの形だ。写真をご覧になっても気づかれるように、なぜこのように、今まで教わってきたアドレスの形とは違ったものになるのだろうか。

それはこれまでに何度も説明してきたが、ナチュラル・スイングの提唱者ジャック・カーケンダルが言うところの「いかにむだな動きを排して、自然の動きを取り入れるか」に起因する。スイング面から見れば、どのようにしてシンプルでやさしいスイングをするかということだ。

 シンプルなスイングとは、バックスイングからダウンスイング、フォローからフィニッシュまで、クラブの描く軌道が一枚のプレーン上を走るようなスイングのことだ。スイングを完全な一つの面で行いなさい、ということにつきる。それだけにスイングのスタート地点となる、アドレスには、十分な配慮が必要になってくる。言い換えれば、これまで通りのアドレスで、シンプルなスイングをすることは難しく、腕のローリングなど、複雑な動きを伴わないとできないということなのだ。

従来の構えでは、正しい軌道にヘッドを乗せられない

それでは具体的なアドレスの形を見ていこう。今回の構え方のポイントは、ヘッドをボールに直接あてがわないということ。写真をご覧になれば分かるように、ボールから離してセットしてやるのだ。これはアドレスのときから、すでにバックスイングされた状態が作られているということを意味している。したがってフェースも少し開いた状態になってくる。バックスイングで重要なことは、正しい軌道にヘッドを、いかに正確に乗せてやるかということにある。これを最も簡単でかつシンプルにした構えというか、方法が、この構えなのだ。

これまでのアドレスでは、クラブはボールのすぐ後ろに置いて、クラブフェースをセットするようにと教わった。

 一枚のプレーン上を、クラブを走らすには、その取っ掛かりというか、始動が大変重要で難しいことは既にご存知のはず。難しくしている原因は、従来のこの構え方にあると言っても言い過ぎではない。従来の方法で構え、正しい軌道にヘッドを正確に乗せるためには、毎日の練習が必要になる。それでもつねに同じ状態でクラブを上げることは難しいのだ。バックスイングが一定しない原因は、バックスイングの始動の部分に問題があることは、十分に知られている。

バックスイングの始動部を省略した構え

「最初の20から30cmはまっすぐに引け」と教わったことがあるだろう。これはその距離が大変難しいことを意味し、その距離の中で、腕とクラブをスイングの平面に乗せなさいと言っているのだ。この方法は、ゴルファーに混乱を与えるだけのようにも思える。そこでナチュラル・スイング、ハンマー打法では、最も難しいこの部分を省略してしまおうという発想で独特の構えを提唱している。この構えは、世界一のボールストライカー、モー・ノーマン自身、だれに教わることなく身につけた構えでもある。

スイングをよりシンプルにする構えとは。それはボールからクラブヘッドを20cmほど離した軌道上に置いて構えてやるのだ。こうすればバックスイングの最初の始動部が省略されることにことになる。しかもヘッドを持ち上げることなく、スムーズなバックスイングが可能になって、そのままインサイドのスイングプレーンにクラブ軌道を乗せてやることができるのだ。

 アドレスで、すでにある程度のバックスイングがスタートした状態にあるため、バックスイングの軌道が一定しやすくなると言うことだ。それだけスイングそのものが、シンプルなものになる。この構えを真正面から見るとハンドファーストになっているし、フェースが開いたように見える。だがこれは、スイング中にヘッドが描くスイング軌道に対してはスクエアにセットされた角度なのである。

 

アドレス ドライバーに限らず、アイアンもバックスイングの始動部を省略した構えだ。このように構えることによって、スイングはより簡素化されたものになる。
従来の構え(左)は、ヘッドボールに直接あてがうというものだった。ハンマー打法(右)では、始動部を省略するためフェースは少し開いた状態になる。このためヘッドを持ち上げることなく、スムーズなバックスイングが可能になる。

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