第22回:プレー後にクラブハウスで技術を論じるな

ルフを続けていくうちに、何だかつまらなくなってしまうときがないだろうか。最初のうちは、スコアがどんどん縮まってくるので楽しいが、上達するうちにちょっとしたミスで腹を立てたり、くよくよしたりする。ゴルフに飽きてくるというか、情熱がなくなってくるということもある。

 それで私に相談してくる人も多い。私のアドバイスは、まず、燃え尽きる前に、それまでの自分を立ち止まって冷静に考えてみてほしい、ということである。ゴルフコースに行ってプレーして楽しくないときに、なぜプレーしているんだと自分に聞いてみるのだ。例えば『楽しくもなかったし、腹を立ててばかりいた』というような、自分の症状を自分で知るのだ。そして、まずそれを白分で認識しなければならない。

 2つ目のアドバイスは、何週間かゴルフを休むことだ。私はツアープレーヤーにさえ、4週間以上連続でツアーに出ることを勧めない。もし5週間プレーしたら、その後はl週間の休みを取り、ゴルフを忘れ、海か山など、ゴルフが忘れられるところに行くのだ。ゴルフはシリアス(真剣)になりすぎ、のめり込みやすいものだ。ゴルフ以外のことをやることにより、より新鮮なフィーリングでゴルフに対する新たなチャレンジが可能になる。家にいるとき、会社にいるときなどはゴルフのことを忘れるべきである。

 3つ目は、ゴルフのスイングに意識をとらわれすぎずに、ゴルフプレーをすべきである。プレーの基本姿勢に戻るのだ。ゴルフはゲームだ。プレーするものである。コースでスイングをあれこれ考えるものではない。私は今まで、ゴルフをプレーしている人(プレーをすることを楽しんでいる人)でバーンアウト(燃え尽きること)した人は見たことがない。ゴルフ場でスイングを練習し、完壁でないショット以外はすぐに腹を立てる人がバーンアウトしやすいのだ。そのような人の頭の中は今までに受けたゴルフレッスンと、雑誌や本の記事でいっばいになっているのだ。ゴルフコースはゴルフを楽しみながらプレーするところである。友達との集いを楽しむのだ。

 プレー後は、クラブハウスでゴルフゲームについて、グレートショットについて話す。スイングについて論じてはいけないのだ。