第34回:出だし、上がり3ホールはどう攻めるのがベストか?

「博

士、私はいつも最初と最後のホールで大叩きをしてしまうのです。出だしの3ホール、上がりの3ホールをうまくまとめる方法はありませんか?」あるとき一人のアマチュアプレーヤーから、私はこのような質問をされた。

 それに対して私は、「他のホールと同じように攻めることだ」と答えた。彼の間違いは、最初の3ホールと最後の3ホールが、残りの12ホールよりも重要と考えてしまうことである。まず第一に考え直すことは、出だしの3ホールも上がりの3ホ-ルも、他のホールと同じ気持ちでプレーをしなければいけないということだ。これは、パッティングでも同じことがいえる。「このパッティングは重要なんだ。どうしても決めなければいけないんだ。ミスできないんだ」とか、「このホールは特別タフなホールだから」といったようにリキむ場合が多いが、ゴルフゲームではすべてを同等に扱う必要がある。

 これが私の態度で、これが私のステート・オブ・マインド(心の状態)なんだと言い聞かせて、それを続けるのだ。最初の3ホールも、最後の3ホールも同じこと。アメリカのことわざで、『10億人の中国人にとってみれば、そんなこと知ったことではない』というものがある。自分では、みんなが自分のプレーを観察しているだろうと思っているが、ほとんどだれも気にかけてはいないのだ。出だしのホールでミスショットをしても、自分が気にしているほど人は気にかけていない。他国人の中国人にとっては、ミスショットが起こったことさえ分からないのだ。にもかかわらず、本人は全世界の人々が自分のプレーを見ているような気になっているのだ。

 今年のマスターズでは、べン・クレンショーが優勝したのだが、2位はだれだったか覚えているかい?3位は?ほとんどの人々はマスターズでさえ、だれが2位かは覚えていないのだ。なのに、自分がプレ-しているのはローカルな試合であるにもかかわらず、自分がミスすると、みんながそれを永久に忘れないというように錯覚し、自らにプレッシャーをかけてしまっているのだ。すべてのホールを、すベてのショットを同じように扱い、気がつけばラウンドが終わっていたというのがベストなのである。