第35回:“お先に”パットをしたほうがいいときと、しないほうがいいとき

の質問とは少し違うが、仲間うちでプレーしているときに0Kを出すかどうかで問題になることがある。プライベートでプレーしていて、進行を速くする意味も含めてOKパットを出すことは何ら問題ないが、自分に正直になり、外す可能性があると思われるパットならば、当然パットするべきである。

 そして、パットするのであれば、どんなパットであれ自分の毎回毎回のルーチンを同じようにして、パットするのである。このルーチンをする必要がないほど短いのであれば、ピックアップすれぱいい。しかし、もしミスする可能性が少しでもあるのであれば、ルーチンをするのだ。

 マークする問題であるが、ほとんどのプレーヤーはマークして、時間をとる。他のプレーヤーがパットしているときに、自分のラインを読んだりするのだ。そして、自分の番がきたときに、精神的に準備ができている状態にするのだ。しかし、優勝争いをしているプレッシャーのもとでは、私は先にパットを済ませることを勧めている、なぜなら、1メートルのパットを残したまま二人のプレーヤーがパットをするのを何分も待っている間に、そのパットを決めなければいけないというプレッシャーが重くのしかかってくる場合があるからだ。

 "お先に"といっても、マークしないでそのまま打つのではない。いったんマークをして、ポールをふいて、もう-度ポールを戻してパットするのだ。5分以上にわたって、マインドをいい状態で保つ必要がないようにするために。ニック・プライスに対しても、短いパットでさえ、まったく同じルーチンを他のショットと変わることなくするように教えている。ゼンマイ仕掛けのように。しかし、それには強い意志が必要だ。パット・ブラッドレーが、ダイナショアで優勝したときのことである。最終ホールで、40センチのパットを残した。

 彼女はマークをし、ボールをふき、ボールを戻して、いつものようにボールのマークをラインに合わせてから、ボールの後ろでイメージを描き、2回素振りをしてからパットを決めた。そして彼女は、私に電話してきて、「最後の短いパットに対して、いつもと同じルーチンをしていたことについて、いろいろ人からいわれたのです」といつた。私の答えはこうだった。「優勝して、最後のパットに関していろいろといわれるのと、ルーチンをせずにパットをミスして優勝を逃すのと、どちらがいいですか」