児玉先生とのメンタル談話

宮崎フェニックスのトーナメント開場にて、児玉光雄先生(鹿屋体育大学助教授、臨床スポーツ心理学専門)とのメンタル談話をおとどけします。3次の女子プロテストに臨むゴルファーにアドバイスを行いました。皆様にも参考になるお話間違いありません。

http://www.naturalgolf.co.jp/suisen.htm

 

児玉:私の専門は臨床心理学です。理論的なものではなく、実際に現場にたって実地でおこなうものです。

大東:ゴルフでは、プレッシャー時のプレーがポイントになると思うのですが。

児玉:プレッシャーから逃げようとしてはいけません。 まず、自分自身で、なぜ緊張するかを考える事が必要です。 自分を知ることから始めます。 私はプレーヤーに対して「心理状態に対して敏感になれ」と言っております。

大東:プレッシャーに直面せよという事ですか?

児玉:そうです。 理想的なのは、セカンドショットのボールの状態が、ナイスライでもディボットでも同じ心理状態で打てるようになることです。

大東:なかなか難しい事ですね。 今週の女子プロトーナメントで宮里藍プロの打ったショットがバンカーのアゴにくっ付き、グリーンを狙えずに横に出した。ボールを見た時のリアクションが、「なんじゃこれ!」と苦笑いしたとの事。 感情的に成らずに、冷静に対処している事が分かりますよね。

児玉:目標設定はゴルファーにとって最も大切な事でしょう。 一年後の自分の姿、目標(高い目標)を書き出してみます。 それを自分の部屋に張り出し、毎日見ます。 「来年はこういう自分に成っている!」 書くことの重要性を認識する。 夢を書く。 動機付け。モチベーションを高める。 毎日、声に出してみるのです。

大東:私も「数字に落とし込んだ期限を設定した目標」を設定する事の重要性を常々説いています。

児玉:専門的な言葉となりますが、「メンタルバリアー」がゴルファーの中にあります。 「自分はこの程度のゴルファー」と無意識に自分で決め付けている。

大東2ホール連続でバーディーが出た後、出来すぎと思って自分でブレーキをかけてしまうこと。ありますよね。

児玉:また、ほとんどの人が自分に対して過小評価しすぎています。そのほうが居心地が良いから。

大東:大口をたたくよりも、良い人間に見られるからですね。

児玉:ラウンド日記を書くことが大切です。 内証する(自分自身を見つける)作業です。 15分寝る前に反省も込めて書いてみる。

大東:小生もゴルファーの皆様に小さな手帳をキャディーバックに入れておいて、気が付いた事をその都度書くように勧めています。 ナイスショットのフィーリング、感覚等も言葉にする事で、より鮮明になるし、甦らせることが可能となります。

児玉:日記には願望を入れる事も重要です。自分のなりたい姿を書くのです。それを101001000回見る事により、自分の潜在能力まで植え付ける。 自分の心を出す確認作業です。

北島康介が「宣言」して「実行」するように。有言実行。 多くの人は、練習はするのだが、日常をそのまま「流して」しまう。 「書いて、読み直す」作業をすることにより「気付き」を得られる。 「願望。なになにしたい。」ではダメ。 「欲」はだめ。

普通にやっていれば「私はなになにになる」と考える。

メンタルテクニックとしては「優勝したい」ではだめなのです。 「ボギーを打った後、次のショットに専念する。」

自分の持っているもの以上は出せない だけど持っているもの全てを出し切れている人は少ない 打った後の結果は忘れて次のショットに専念する。

大東:毎ショット100%ターゲットだけに専念できれば言い訳ですね。当たり前のことを当たり前のようにする。簡単なようで難しいですね。

児玉:「悔しい気持ち」を持つことは大切。 それがエネルギーと成る。 「悔しい」だけで終わらないで、何か行動をおこす。

大東:コンプレックスもエネルギーとなりますね。

児玉:「自分の持っている能力全てを100%出す心理状態を自分で作っていく」 ミスショット後、プレーのリズム、テンポが早くなる。

大東:ジャック・ニクラウスでさえ、林中からのショット時はタイミングが早くなっていたことが分かっています。

児玉:意識的にゆっくり動作をする。 自分自身を手なずけるのです。 ボギー後に笑えるくらい。

大東:悟りを開く必要がありそう〜。

児玉:哀しいから涙がでるのではなく、涙が出るから悲しい。 しぐさが感情をコントロールする。 だからこそ、笑顔を作って楽しくなる必要があります。

大東:「笑顔共和国」の福田純子さんも同じ事を言ってますね。

児玉:また歩き方は大切です。 タイガーの歩き方を見てください。 風格がある。

大東:他のプレーヤーを圧倒しているくらい。スタート前に勝負があった感じさえする。

児玉:ゴルファーは「自信過剰になるくらい」で丁度。 68がベストスコア−。自分の実力がそれぐらいと思わないで、 6263が出せると思う。ただまだ出ていないだけ。 日頃から自分に言い聞かせる。 自分で自分の心の扉を開く 自分しか出来ないこと

「もっと自分は上手いんだ」

最高のショット最高のパーフォーマンスが出る。と信じる。

無意識の自分、潜在意識の自分がゴルフをしている。

もう1人の自分を煽てて上げる。 車に乗っている自分。 助手席に座っているのがあなた。

プレーしているのは無口の運転者。助手席の自分を眠らせて運転手の自分に思い通りのプレーをさせる。

大東:本日のお話は、全て頭で理解するだけではなく、自分自身で消化吸収して、実際のプレーに実行させる事により、自分の血と肉となりますよね。有難うございました。