Toshi.Hirataの「気ままなアメリカ日記」

VOL.7

【Titleist 905 S ・・・そしてTiger 】

昨年、Taylormadeのr7TPモデルの失敗??で、当分の間TaylormadeR510TPモデルに落ち着きそうだと思っていたら・・・

何と、私のバックには新しいTitleist905Sが入っているではありませんか!!

仕方がないので・・・使っています(笑)

さて、日本でも話題のこのクラブの特性は??  そして、性能は?気になる飛距離は?

まだ3週間程度ですが、練習場とラウンドでの球質をレポートしてみましょう!

さてこのクラブとの出遭い??は1ヶ月ほど前の、息子のカレッジの試合でした。

我チームのエース、Aron.Price君が自慢げに私に差し出したのです。

「カリフォルニアで貰って来た。どう??」

「うーん・・・良い顔だね!飛びそうだ」とお愛想で返答したのです。

実際、見ただけで飛ぶかどうかは・・・わかるはずもないですから(笑)

ロフトは9.5度

なんとシャフトにはフジクラのスピーダー757ツアーXが挿入されていました。

「Fujikura?」と私

「Toshi(私の息子)から757は完璧なシャフトだと聞いたから・・・」

「うん、いいよ!私にはね・・・でもAronもシャットプレーヤーだから合うと思うよ!」と私

「良かった」と彼、そしてその後私は、Aronのラウンドを観戦することになったのです。

さて、Aron.price君の事をここで少し紹介しましょう!

彼は現在全米ランキング20位内で、AllAmericanに選抜されました。

去年オーストラリアンツアーにスポンサー推薦で出場し、予選通過。

今年はHilltonHeadのMCIでPGAツアー初出場を決めたのです。

カレッジの試合は今年が最後、10月にはPGAクォリファイ挑戦が待っています。

PGAプレーヤー目前の彼が、どんなプレーをするのか見逃す手はありません。

ゴルフウォチングは久しぶりですが、息子を観戦するのとは違い楽しみだけが先行していました。

1H、彼の手には例の905Sが握られていました。

バックスイングの軌道を2度確認する独特のルーティーンの後、彼は思い切りスイングしていきました。

強いインパクト音が響き,打球は高々と打ち出されていきました。

 打球が頂点に差し掛かったと同時にナックルボールのようにストンと落ちていきました。

あまり見たことがない弾道に少々驚きが先行しましたが、やはりこのNewモデルも打ち出し角度は高く、

スピン量は少なくという昨今の流行??・・・というか、飛びの定義に添って作られていたという事です。

Aron君の球は300ヤード地点を楽に越えていきました。

見た感じ綺麗な弾道というには、少々・・・難あり。

「アゲンストの風を苦にしない」というのが適切な表現でしょうか?

 ただAron君の打ち方にも問題がないないわけではありません。

彼のトップは若干シャットフェース。

そこからインパクトまで、あまりリストは使わないもののインパクト以降はクラブヘッドを開放しリストを走らせてきます。

テニスでいえばトップスピンを打つ感じになってしまっているので、「過剰にスピンが解ける」という結果になっているのでしょう。

元々、極端な飛ばし屋ではありませんからフックボールが持ち球だと思います。

後日、私は彼の仕様と全く同じドライバーを使うことになるわけですが、あのストンという現象はお目にかかっていません。

 「新しいテクノロジーには新しい打ち方」が必要になってくるのです。

日本の雑誌等ではすでに誰かが解説しているのかどうかは知るよしもありませんが、

あのタイガーでさえNewテクノロジー用のスイングに変えてきているわけですから・・・

もしタイガーのコーチが「この事」に気づいてスイングを変えさせたとしたなら・・・

それは「恐るべき論理と推察力の持ち主」と言わざるを得ません。

現在こちらのTV等の解説者もこの事には気が付いていないのか誰もこの問題には触れてはいません。

私はタイガーの感性がスイングを変えさせたと信じたいのですが・・・

さて、真実はどうなのでしょう?

皆さんにとっては私の禅問答のような問い掛けに少々じれったく思われているのではないでしょうか?

「タイガーのスイングのどこが変わったの?」

「Newテクノロジー用のスイングって??」

実は私自身つい最近までこの問題に気づくことが出来なかったのです。

私がそれに気づいたのは・・・

さて・・・こんなビックなNews。

簡単に喋っていいものかどうか・・・??

 

VOL.6

【Member マスターズ】

今年も恒例のMemberマスターズが Southbridge CC で行われた。
スクラッチ競技だが、このクラブには私の敵はいない!!・・・筈・・・だった・・・!
ところが初日、パターが決まらずもたもたしていたらイーブンで上がったきたプレーヤーがいた。
以前、シニアツアーのプロアマで一緒にプレーした、そうあのTom.Harris親父。(私と一緒に写した写真がNaturarl打法にあります)
HDCP
は3に落ちている。
しかもこのクラブだけでの数字。
他のトーナメントでは80前後は打つ。
普通にプレーすれば・・・と言うより・・・高熱でも出ない限り、まず負けない相手なのだ。
しかし、彼は一度私の目の前でとんでもないスパープレーをしたことがある。
ゴルフのスイングは今時日本ではまずお目にかかれないほどのアグリー(醜い)なスイング(笑)
スイングの最中右足は一切上がらないべた足打法。
それはドライバーからョートアイアンまで一貫している。
特にショートアイアンは打球が飛んで行っても、下を見続けている。
首を痛めそうなものだが・・・左肘を抜いて防いで??いる()
ドライバーの飛距離は260〜270ヤードで結構飛ぶ。
背が高くアークが大きいのと、アメリカ人はとにかく腕力がある。
ただアイアンは飛ばないので7W.W.3WDWと4本使い。
私は前半バーディパットが全く決まらず36
彼は1オーバーと健闘している。
バックナインに入って動き出した。
11番PAR3190ヤードで先に5Iで先に打った私がアゲンストの風にあおられて右サイドに外してしまった。
彼の手には5W
アグリーなスイングから繰り出されたボールはピンに向かって一直線。
5フィートについた。
私は寄せきれずボギー。
彼はど真ん中からバーディパットを決めた。
「エッ??逆転された??」
しかし焦る必要はない。
まだ7ホールも残っているしショットも先程のミスだけで好調だし・・・
12番ホールは左ドックレック390ヤードPAR4
彼はドライバーが芯を食わなかったがフェアウェイセンターで残り160ヤード。
Tylormade
TP2FWを手にした私(このゴルフコースではDWを使うのは1ホールだけ)は残り120ヤードまで運んだ。
Wを手にした彼のボールは再びピンに絡んだ。
「えっ??ベタピン??3フィートしかない!!」
PW
を手にした私に力みが入った。
ボールにフック回転が掛かった。
左サイドに切られているピンの左にボールは巻いてバンカーを越えた砂地に止まった。
エッジまで5ヤード、ホールまで10ヤード。
ボールを浮かせる事が出来ない。
52度のSWで吊り気味に構えクリーンにヒットした。
4フィート残った。
相手は3フィートバーディは間違いない。
何とかねじ込んでパーセーブ。
しかしTomもバーディ。
2打差・・・(汗)
13番180ヤードのPAR3
Tom
の手には再び5Wが握られている。
いやーな予感。
ビチャ。
また3フィート。
私は6Iで芯を外しショートした。
寄せもミスしパターも外した。
ボギー。
Tom
は慎重にバーディを獲った。
「えっ??4打差!!」(滝汗)
14番は370ヤードPAR4
Tomはピンハイ6m下りの難しいラインにつけてしまった。
SW
で打った私がピン下3m軽いフックライン。
先に打ったTomのボールが下りのラインにのった。
「強すぎる!!」
ボールはカップに吸い込まれた。
「えーっ!!4連続バーディ??しかも今のパットは・・・」
気を入れ直して(イヤ気を入れなおしたつもり)ーディパットに臨む。
ボールは力なくショート。
「5打差!??残り4ホール??辛い・・・」
15番はお互いにパー5打差残り3ホール。
16番PAR5途中にクリークが横切るこのホールはティショトをレイアップしなければならず2オンは不可能。
でもここで少なくともバーディが必要。
18番は2オン可能なPAR5が待っている。
なんとしてもこのホールはバーディを獲らなければ!!
先に打ったTomはまたもや7Wで3打目をグリーンにのせている。
私の手にはSW。
気合を込めたボールはピンに一直線に突き進んだ。
【運】
感触は良かった。
1ピン以内には付くはずだ。
「ガチャ!!」ダイレクトにピンに当たった。
しかし根元に当たった為に大きく跳ね返された。
ボールはダウンヒルまで戻され、やがてグリーンの外まで転げ落ちた。
「Tomのおっさん・・・!人のボールまでも念力をかけやがった!」(笑)
「これで・・・決まった。」
グリーンを外したボールを何とか寄せてパーセーブしたが、残り2ホールで5打差はきつい。
17番はお互いにパー。
18番私にとってはイーグルが狙える短いPar5。
Tomの手には余裕のDWが握られている。
ところが、力が入ったのかボールはとんでもない場所へ飛んでいった。
左サイドにはOBが待ち構えている。
ボールは林の中に消えていった。
これがゴルフ。
私にチャンスが巡って来た。
人の失敗を踏み台にしたくはないが、ここはそれしかない(笑)
ドライバーでショートカットを狙った。
軽いフェードで林の上を越えていった。
残り180ヤード。
「イーグルが十分狙える」
Tomは暫定球を5Wで打ち直した。
またドラマが起きた。
左を警戒しすぎたTomは今度は右にボールを押し出した。
今度は右の林にボールは吸い込まれた。
立ち尽くすTom。
右にもOB杭がある。
人のスコアを予想したくはないが・・・してしまった。
「バーディでも並べるかも・・・」
最初のボールを捜さなければならなかった。
ボールは深い林の奥。
時間が経過したが見つからない。
5分が過ぎようとしていた。
私が右の林に向かいかけたその時。
Tomがボールを見つけた。
何とラフの中。
しかも・・・林の外。
Tom以外の人間なら・・・私は疑った。(彼は厳格な人間だ)
それほど信じられない場所だった。
彼はそれをパンチアウトした。
私は自分のプレーに集中した。
6Iで放たれたボールはまたピンを目指した。
ピン奥に付いた。
Tomのボールは今度は左のラフ。
175ヤード。
5wで打っていった。
ボールが流された。
今度はグリーンサイドにある、右の池に向かった。
【18H】
グリーンエッジから池までは15ヤードの余裕がある。
しかし、傾斜はかなりきつい。
ボールが1バウンドした。
再び意気消沈のTom
だが・・・ボールは池の手前に辛うじて残っていたのだ。
この時点で私の逆転への望みは完全に失われた。
一息つくTom
最後はあなたまかせになってしまった情けない・・私()
18番のグリーンサイドには20名程のメンバーが観戦していた。
Tom
の最後のアプローチショットは右サイドバンカー越えでピンは手前。
安全にピンの奥に乗せて来るはずだった。
乗せても3パットが残る早い下りになる。
だが、それでも4オンのWボギーだ。
私がイーグルをねじ込んでもまだ1打差ある。
ここは無理しないのが常道。
Tom
は2度、3度素振りをした後ボールに向かった。
柔らかく打ち出されたボールはエッジに落ちた。
そこからピンまで5ヤード。
ボールはまるで魔法が掛かったようにホールに吸い込まれた。
「えっ!!??チップインバーディ・・・」
諦めてはいたものの、このバーディには驚かされた。
同伴者のFrankはグリーンにひざまずいて、「アラーの神拝み」をしている。
少ないギャラリーではあるが、凄い歓声が上がった。
バックナインを5アンダーの31、トータル68。
私はただ呆気にとられていた。
「信じられない・・・でも目の前で起きたことは・・・」
HDCP3のシニアの親父がPGAツアーもどきのプレーをしたという現実だ。
そして私は意気消沈するどころか・・・感動に震えていた。
「人間の一途な思いというものは・・・とてつもない力を生むという事を」
私のイーグルパットは外れた。
しかし、凄いものを見させてもらった感動の余韻で悔しくはなかった。
何故なら、私達親子がこれからも果てしなく続けていかなければならないUSPGAツアー挑戦。
それを勇気づけてくれるものでもあったから・・・
「Tom!勇気をありがとう!」

 

 

VOL.5

【チャンピオンズツアー】

 先日チャンピオンズツアーのプロアマが地元Savannahで行われた。 私にとっては近年にないビッグイベント(笑)。

 十分な練習を積んで望んだ。

 私のチームはHDCP1と2、そして例のミニツアープロのトミー.シェフ。

 さてお相手してくれるシニアプロは? 当日まで知らなかった。

 練習グリーンでトミーが近づいてきて「ボビー.ニコラス・・・知ってる?」

 「・・・???」

 「誰?ニクラウス?」

 「違うニコラス!!」

 「誰それ?」 皆が聞いた。

 「エーッ?アメリカ人でも知らないの?」と私。

 少しガックリ。 トミーは続けた。

 「11タイムスPGA優勝経験,1964年PGAチャンピオンシップ優勝」

 「えっ?メジャーチャンプ!!・・・でも家内が生れた年だ・・・」

 複雑な心境だったが・・・   柵で仕切られた練習グリーンに立っていられるだけで私は興奮していた。

 気分はツアープロ。

 そして「絶対にシニアプロには負けない!」と、いきり立つ私だった(笑)

 【Bobby Nichols】

 一生懸命調べたけれど・・・・。

62年プレーヤー、63年ニクラウスそれに続いて64年NICHOLS・・。   

でもシニアツアーの時代にも聞いたことがないな〜。

 現役ですか??   その64年のNICHOLSさんです。

 カタカナで書いたのが間違いのもとですね

 トミー氏、訛りが強かったのでは???

 Tommyの訛りではなく私の耳が悪かったのです。(笑)

 日本語よみではニコルスと書いた方が良かったかもしれませんが・・・

 ただアメリカ人はLを ラとリの中間音で発音してくるのです。

 しかも聞き取れないくらいの小さな音で・・・

 カタカナで書けば「ニコース」が一番なか?? Lはほとんど発音しません。 ちなみに・・・Mcdonalds

 マクドナルドは「ミク.ダーナル」と言えば通じます。 このミもマとミの間の様なサウンド。

 でもどちらかといえば・・・ミ寄り(笑)

 そして、これもSはほとんど発音しません。

 ポケット英会話などでは「マクダーナルズ」と書いていますが・・・ これでは全く通じません!

 アメリカ人には「???」って顔されます。(笑)

 

 【チャンピオンズツアー】U

 練習グリーンにはMike.Hill親子がいた。

 7年前チームトーナメントで一緒にラウンドしたし、息子とはTommyArmor

ツアーで何度もプレーしている。   久々の再開に向こうもビックリしていた。

 息子は「ツアープロは断念した」と語った。

 結婚し、子供も生れたのでGolfSchoolを開く予定だと・・・

 時の速さを感じずにはいられなかった。

 そして・・・この道の厳しさも・・・

 【スターティングホール】

 時間はあっという間に過ぎ、ティーオフの時間になった。

 スタートはショットガンと言って、同じ時間にすべてのグループがスタートする。

 つまり各ホールに振り分けられる。 私達は3番のショートホールからだ。

 ショートホールからのスタートは正直辛い。 ましてやこのホールは215ヤードもある。

 Backteeなら240ヤード。 シニアのセッティングなのでティーグランドは一つ前。

 プロと挨拶を交わした。

 「デッカイ!!」  190cmはあるだろうか?  とても68歳には見えない。

 大学時代フットボールの名選手だったという。

 握手の時の握力も凄いもの。  握り潰されないように必死だった(笑)

 先にプロが打つ。  手には5番アイアンは握られている。 フォローの風が吹いている。

 Tommyも私も5番をチョイスした。 同じ選択に少し驚いた。

 ゆったりとしたスイングでボールを運んでいった。

 少しショートしたようだ。 次にフランク(HDCP1)の番だ。 手には3I。

 いつもなら5Wをチョイスするばずなのに・・・ パシッと変な音がした。 シャンクだ!!

 Tommyと私は顔を見合わせて吹き出しそうになった。

 そして、Tom  5Wで打っていった。 半分トップ目のボールは左グリーンサイドにこぼれていった。

 そして私の番だ。

 私は彼らが緊張している様子がおかしく、とてもリラックスしていた。

 いや・・・その筈だった。 いつもと同じルーティーンからクラブを上げていった。

 ところがこの瞬間異変に気がついた。 トップでクラブの重さが全く感じられない!

 頭の中を緊張感が駆け巡った。 しかし・・・もう遅い。 クラブは切り返された。

そんな時グリーン脇では、二人のシングルプレーヤーの滑稽なショット後、こんな

会話が交わされていた。 「大丈夫!!Toshiなら必ずグリーンオンしてくるよ!」

 私を良く知っているという老人。 そしてその横には家内がいた。

 「えー普通ならね・・・でも彼は張り切り過ぎると・・・とんでもない事をしてしま、のよ・・・昔から・・・」

つづく

 【チャンピオンズツアー】V

 トップでスイングの異変を感じた私だが、切り返されたクラブは・・・もうどうし ようもない。

 積み重ねて来た感性に、我が身を任せた。

 「バシッ!」

 しかしインパクトで私の身体に伝わって来たものは・・・ 完璧なボールコンタクトと打球音だった。

 (英語では「ソリッド」という) ボールは真っ直ぐにピンに向って突き進んだ。

 215ヤードもあるPar3なので、どれだけピンに近寄ったかはわからない。

 しかし確実にバーディ圏内である。 私はホット肩をなで下ろした。

 「グレートショット!」と皆が叫んだ。 そしてようやく私は自分を取り戻した。

 ショットの間のほんの数秒間の出来事だが・・・私にとってはスローモーションの 世界だった。

 私の後のTommyもナイスショットを放った。

 さすが・・・現役。 全く動じてない・・・

 グリーンに向かう途中、家内が私に向って微笑んだ。

 私は余裕のある素振りで微笑みかえした(笑)

 

 その後今度はBobbyにアクシデント?が襲った。

 20ヤードもショートしていたボールをアプローチしたが・・・

 何と次のショットでもグリーンオン出来なかった。

 苦笑いのBobby。 私達は・・・青ざめた(笑)

 

 私のボールはピン下3mにオンしている。 ほとんど真っ直ぐなライン。

 緊張する事もなくストロークしたが、ボールはわずかにカップをすり抜けた。

 Tommyは5mのスライスラインをねじ込んでバーディ。 Frank.Tom.は共にボギー。

 BobbyはWボギーのスタートとなってしまった。

 そして2オン可能なPar5  TommyがBobbyに何か語り掛けている。

 近寄って聞いてみると、どうやら私の経歴やTommyの現在の状況を説明してい るようだ。

 これはTommyの配慮に違いない。

 アマチュアだと思っていた二人が難しいPar3でピンに絡めて来た事にBobby が慌てたのではないかと・・・

 会話が終わったのでTommyに聞いてみた。

 「何を話してたんだい?」  「Toshiの事も俺の事も説明してきたから・・・もう大丈夫」 と笑顔で答えた。

 プレーは再開した。 今度はTomが笑わせてくれた。 見事なチョロだ。

 彼とは幾度となくラウンドしているが、こんな見事なチョロは初めてだ。

 HDCP2のクラブチャンピオンとは到底思えない。

 悪いけれど・・・爆笑した。 Frankは立て続けにやってくれた。 ドチーピン。

 二人のオールドシングルプレーヤーは完全に舞い上がっている。

 しかしそういう私も・・・笑えない。

 今度はナーバスになっている自分を自覚した上でスイングを開始した。

 MP−001から放たれたボールは軽いフェードを描き300ヤードラインを越え て行った。

 つづく

 【チャンピオンズツアー】W

 我々にとってセカンドホールとなるNO4はPAR5,487ヤード。

 軽いアゲンストの風ながらも十分に2オン出来る。

 私のボールは残り185ヤード。 ピンはセンターに切ってある。

 グリーンの中心から左にウォーターハザード。 私は5Iで右サイドからドローで攻めた。

 ボールは右グリーン奥のカラーとラフの境目で止まった。 ピンまで10ヤードの軽い下り。

 あまり気持ちの良い状況ではない。

 完全にラフの中なら比較的簡単なのだが、ボールの先2ー3cmはもう短く刈られ たカラー。

 ラフと同じ打ち方をすれば、芝の抵抗の変化でボールが飛び過ぎる惧れがある。

 私は30度以上オープンスタンスに構えた。 スタンスの幅は踵側で20cmくらい。

 体重は左足加重。 ボールの位置は右足よりももっと外側に置いた。かなりハンドファーストの構えに なる。

 60度のLWはPWのロフトに変化した。

 この構えから私はあまり肩の回転を使わず、リストを主体にバックスイングを開始 した。

 クラブヘッドは縦に上がりかなり鋭角的なダウンスイングになる。

 このままヘッドを落せばクラブヘッドは抜けていかない。

 青木功プロが良く使うインパクト即フィニッシュのはこのやり方だが、これでは球 離れが早く距離感が難しい。

 

 私はインパクト以降もクラブヘッドの動きを止めたくない。

 鋭角的に落ちてくるクラブヘッドを抜いていく為には、右肩の押しと左肘の引っ張 りが必要になってくる。

 文章で書くとかなり難解なイメージだが実際はこのやり方の方が遥かにやさしい。

 イメージとしてはVU打法である。 鋭角的な入射、そして鈍角な振りぬき。

 これが出切れは深いラフからでもスピンの効いたボールを打つ事が出来る。

 

 ラフの抵抗をさほど受けずにボールは低く飛び出た。

 カップの周りにたどり着いたボールはバックスピンでピタッと止まった。 イージーバーディである。

 ギャラリーが拍手をした。 そしてその向こうで家内が微笑んでいる。

 つづく

 【チャンピオンズツアー】X

 さて、同伴競技者はと言うと、TommyもバーディをGet。

 FrankとTomもティショットで笑わせてくれたのに、長いセーブパットを沈 めて共にパー。

 どうやら二人の緊張も解れたようだ。

 Bobbyはまだ調子が戻らず、簡単なこのPar5をボギーにしてしまう。

 

 No5は短いPar4、348ヤード 私のドライブはバンカーを越えて残り30ヤード。

 ただ、かなりの左足下がりになっている。 ピンはバンカー越えの右端に立てられている。

 60度のLWを手にした私は万能ドリルのように左足に加重を掛け、傾斜に沿うよ うに立った。

 バンカーから少し距離があるのでランを使える。

 もし、ピンがもっと手前に立てられていたら私は傾斜に逆らい、真っ直ぐ(重力の 方向)スタンスを取った筈だ。

 この場合ボールを上げなければならないので、傾斜には沿わない。

 ボールはスタンスの中央そしてオープンスタンス。

 バックスイングはアーリコック(早めのリストコック)でアウトに上げ、インパクト 以降フェースターンを抑える。

 難易度の高いリスクのあるショットが必要になってしまう。

 

 今回は左足下がりでも比較的やさしい状況である。 60度のLWは傾斜に沿って立った為、50度位になっている。

 バックスイングはストレートに上げインパクト以降は自然なフェースターン、重力 に任せる。

 ただ大きなフィニッシュを取ると身体が浮き上がり、トップのミスが出やすくなるので、

フィニッシュは出来るだけ小さくする事が賢明である。

  このショットを傍で見ている多くのアマチュアは必ず「アッ!」という声を上げ る。

 ボールはトップしたように低く飛び出るからだ。

 しかしボールはグリーンに着地すると2、3バウンドした後、バックスピンによっ て急激なブレーキが掛り、ストップする。

 私のボールはこのバックスピンが思ったより掛ってしまい、3mのバーディパット が残ってしまった。

 

 このバーディチャンスは結局ものに出来ず、次のホールへと進んだ。

 6番のPar4は420ヤードHDCP4だが、私はこのゴルフコースでもっとも タフなホールだと思う。

 軽い右ドックレックで右は谷。 左に逃げるとバンカーが待ち構えており、2オンは難しくなる。

 狙い所の150ヤード辺りのフェアウエイは10ヤード程しかない。

 刻めばロングアイアンが残り、グリーンがトリッキーなのでダボの可能性さえ出て くる。

 グリーンは奥に向って傾斜して2段グリーン。 右には深いバンカーとマーシュ。

 左はブッシュが迫ってきており、この中に打ち込めば確実にロストボール。

 私は3Wを手にした。 ドライバーよりもコントロール性の高い3Wで150ヤードのフェアウェイを狙った。

 風はスライス風。 私はフェアウエイセンターに向ってドローボールを放った。

 【忘れてた編】

 私がボールを運んだ150ヤード地点はフェアウエイの幅は20ヤード。

 しかし右に傾斜しているため実質10ヤードの幅しか計算できない。

 スライスの風に向かって敢えて飛距離の落ちるドローボールを打ったのは

このフェアウェイに 確実にボールを止める為。 スライスでは確実にラフまで転がってしまう。

 風とけんかしながらボールはフェアウェイセンターに柔らかく着地した。

 このようにスライスボールだけがランが少ないわけではない。

 状況によってはドローボールがボールを止める手段に成り得る。

 私はアプローチショットにおいてもこのテクニックを多様する。

 左からの風が強いとき。 グリーンの傾斜が右傾斜の時。

 グリーン廻りのチップショットで出来るだけ転がしたくない時に多様することが多い。

 

 残り150ヤードまで運んだ私はバックから7Iを取り出した。

 ピンは手前。 ピンから奥に急激に下っている。

 ピンを越えてしまうとボールはダラダラと奥のエッジまで転がってしまいそうだ。

 8Iを抜かないで7Iをチョイスしたのはここでパンチショットを打つ為だ。

 ドライバーの時の様に風にけんかさせながらドローボールを放った。

 風とけんかした球は少し距離が落ちる。 私の計算はものの見事にハマッタ。

 ボールはピン横1.5mについた。 これを慎重に沈めて2アンダーにスコアを伸ばした。

 その後7H,8H,9Hとパープレーが続く。

 10Hの短いPar4でバーディを加え、私のスコアは3アンダーになっていた。

 その後大きなUP&DOWNもなくゲームは後半へと流れて行く。

 Bobbyは9Hを終えた時点でDWをクラブハウスに取替えに行った。

 あまりにも曲がるDWに見切りをつけたかったのだろう。

 

 私達のグループはBobbyの不調を意に返さず好調を維持していた。

 Tommyもすでに3アンダー。 Tomは2オーバー。 同じくFrankも2オーバー。

 私にとって唯一のドラマは13番Par5.

 http://www.pgatour.com/tournaments/s504/course

 

 フォローウインドウの風に乗って、私の球はTommyのそれを20ヤード近くア ウトドライブした。

 548ヤードのPar5を残り220ヤードまで運ぶことが出来た。

 2オンが狙える距離だが簡単ではない。 このグリーンも縦長に下っている。

 左と奥はリバーが待ち構えている。

 

 私は3Iを手にした。 ややフェースを開き気味にしハイフェードを狙った。

 今回は風に運んでもらう作戦だ。 ボールは5Iの高さで打ち出されていった。

 しかしフェードが掛かかり過ぎた。

 グリーン右サイドのWバンカー、しかも右のバンカーに捕まってしまった。

 私のボールからの景色は最高だった。 ピンの奥には・・・リバー。

 手前には・・・もう1つのディープバンカー。 そしてグリーンは縦長、横短。

 

 私の頭の中は「せっかくのスパードライブを無駄にしたくない!」と「無理したら

Wボギーになりそうだ・・・せっかく3アンダーなのに・・・」が葛藤していた。

 ふと気づくと横にBobbyがにこやかに立っている。 私は決心した。

 「せっかく元PGAチャンプとプレーしているのだから・・・自分の力を出し切ろう!」

 フェースをフルにオープンにした。 ピンまで15ヤード。

 バックスイングをアウトサイドに上げフルショットした。

 トレーティングエッジは限りなくボールの近くに落とした。

 砂は薄く切り取られスプラッシュした。

 ボールは高々と上がりピンの根元30pに落ちた。

 ボールがその場で静止した。 OKバーディだ!!

 横ではBobbyが柔らかな微笑みでウインクしてくれた。

 私のゴルフ人生のスーパーショットが1つ加わった。

 

 後で家内から聞くことになるのだが、この後Bobbyは私の家内の元へ行き「こ

んな素晴らしいバンカーショットは見たことがない!」とスーパーお世辞を言ってくれたそうだ。(笑)

 そしてこうも付け加えてくれた。

 「彼は勿論チャンピオンツアーに挑戦するんだろうね?!」

 家内は「とんでもない!!」と首を横に振った。

 私のチャンピオンツアープロアマはこうして素晴らしい思い出と共に幕を閉じた。

 http://www.pgatour.com/tournaments/s504/course

 

 Tommyは流石現役、67でホールアウト。 Tomは73。

 Frankは74。と出だしの痺れまくりが嘘のようなスコア。 私は68。

 Bobbyは・・・

 途中から数えてません・・・

 不調でも笑顔を絶やさず、決してBadwordは吐かなかった。

 彼のお陰で皆もリラックスでき、良いスコアもうまれたのです。

 

 多くのUSPGAプレーヤーは日本のツアープロよりは遥かにフレンドリーです。

 練習ラウンドでは気軽にサインや写真撮影に応じてくれます。

 この辺りのプロフェショナル精神は見習うべきだと思います。

 実はこの後、本選を家内と観戦したのですが、ある日本人プレーヤーには大変失望 させられたのです。

 詳しくは書きませんが・・・とてもその行為は恥ずかしいものでした。

 Bobbyはプレーヤーとしてはすでに峠を越しています。

 しかし、彼の持つ人間性はそれをカバーするには十分過ぎるほどのものです。

 フロリダでゴルフスクールを経営しているようです。

 彼を慕って多くの生徒が集まっていると思います。

 いつまでも素敵な笑顔を見せ続けてもらいたいと・・・

 「Thank you ! Nice guy.」

 

VOL.4[【Braian.Harman】2]  


昨日、ブライアンがテリヤキチキン(笑)を食べに私の経営するレストランに、ゴルフチームの仲間と共にやってきた。
「最近飛んでるらしいなぁ!」と関西弁で聞くと。
「20ヤードは伸びてるわ!」とポパイのポーズで切り返して来た。
「そしたら・・・310ヤードか?」
「だいたい・・・そんなとこ」

彼は2,3ヶ月前からPINGのG2を使いだした。
460CCのビックヘッド。
こちらでは、一番の話題のクラブだ。
勿論私も試打済み。
私の愛用しているTP510ツアープリファードは打感が柔らかい。(・・・というより打球音が柔らかい)
このクラブは甲高い金属音だ。
そのせいか、球離れが早く感じる。
実際に強く振ると右にすっぽ抜けた。
捕まえる為には若干フラットなスイングに変える必要がある。

私はこれを好まない。
アイアンのスイングに影響してくるから。
いくらドライバーが飛んでも、アイアンの精度が落ちてはゴルフにならない。
ブライアンのスイングは比較的フラットだが、このドライバーを使い出してよりフラットに変化した。

少し前、練習場で「ロングアイアンがダフル」と首を捻っていたブライアン
ダウンスイングで、クラブが寝て入ってきていた。(レイオフ)
私は彼のボールと身体の間にボトルウォーターを置いた。
気持ち悪がる彼。
「それで打ち続けなさい」と私。
しばらく離れて練習していたら、「見て見て」と彼。

何と4アイアンでものの見事にピンに絡めてくる。
それが何球も続いた。
「これでどう?」
「GO・・・OD!」
教えた筈の私が・・・度肝を抜いた。
やはり・・・彼は天才だった!!

 

VOL.3[今回はアメリカのゴルフ場の形態をご紹介します]

アメリカも日本と同じくゴルフ場が衰退した時期がありました。

現在は多くのNEWコースは土地付、会員権付といったものがほとんどです。

純粋にゴルフ場だけの売り上げだけでは経営が成り立たないというのが現状です。

デベロッパー(日本でいう土地開発会社)はゴルフ場を売り物にして土地の値段を 上げ、土地を売っていく訳です。

有名なコースデザイナーを売り物にするゴルフコースが後を絶ちません。

勿論この土地を買う人はゴルファーばかりではないのです。

ゴルフコースという景観もまた売り物の一つになります。

プライベートコースになるとゲートが付き、セキュリティもしっかりしています。

訪問者は厳重なチェックを受けることになるのです。 アメリカは・・・安全は「お金で買えます。」

日本よりも数倍危険なアメリカですが、「お金さえあれば」日本より遥かに安全な

居住地を確保出来ます。  アメリカ、それは・・・そう資本主義のリーダーですからね。

写真は現在リニューアル(改造)が進んでいるグレック.ノーマンのデザインのコースです。

今年の終わりにはOPENする予定ですが・・・

ここはアメリカ、工事が遅れないほうがオカシイ(笑)

少し自慢させてもらうと・・・実はこの写真を撮った場所は、私の土地。

コース完成の暁には1ミリオンの家を建てる・・・よ・て・い!(1ミリオンは嘘)

仕事が終われば夕飯前に9ホール。

なんて、日本人にとっては夢のような暮らしが出来ます。

でも、ここでは珍しい事ではありませんから・・・自慢にはならないのですが(笑)

でも良い事ばかりではありません。

私のオフィースにはクロッグの10ミリが常備されています。

つい先日も近くのオフィースでマネジャーがホールドUPを喰らったばかりです(滝汗)

射撃の練習もゴルフの練習と共に必要不可欠。

そして・・・これもアメリカ。

 

VOL.2 [渡米]  

私が初めてアメリカの大地に降り立ったのは・・・10年前
1995年の11月
マサが書いたミニツアーリポートをお守り代わりに・・・(笑)

それまで海外旅行さえ経験なかった私にとって、1年間の渡航は今から思えば「無
謀」としか言いようのないものだった。
しかし彼が書いたレポートのお陰で私の頭の中は錯覚を起こし、それは身近なもので
しかなかったのだ。

空港に着いた瞬間からその錯覚は解き放たれ,重い現実が待っていようとは・・・
荷物を受け取り私達はレンタカーのカンパニーへと向かった。
日本ですでに予約を入れておいたので簡単に借りれる筈・・・だった。

受付で名前を告げ「予約してあります」と言ったのだが、次々と質問の雨。
私は「???」
でてきた言葉は「I need a car」
・・・それだけ(笑)
受付の男性もようやく私の英会話能力を理解できたのか、スローダウン。
通常レンタカーを借り受けるとき、どんなタイプのInsurance(保険)が必
要か聞いてくる。
私は返答に困り「Everything」と答えた。
これで随分と高いものになってしまった。
摺ったもんだの末、ようやくNissanのアルティマをRent出来た。

車は日本製、問題はない。
さて今日のホテルは・・・
これも日本で予約済みなので問題なし!・・・の筈
でも、心配になったのでレンタカーの従業員に地図を書いてもらった。
これで問題なし・・・の筈

「右側通行、右側通行」と呪文を唱えながら車を走らせた。
地図のとおり車を走らせると、高速道路の入り口にたどり着いてしまった。
しかし無人。
目の前にバスケットのような籠があり、そこに料金を投げ入れるようになっている。

でもお金がない!!
手には空港で両替した20ドル札や100ドル札だけ。

50セントと書いてある。
「どうしよう??」
引き返すわけにも行かず、車を止めて誰かがくるのを待つしかなかった。
時間はもう・・・PM11時。
車は来ない。
ようやく一台の車がやってきた。
手を振り車を止めた。
「I don't have small money,could you exchenge?」
と尋ねた。
すると「You can go!you don't need any money」ときた。
「???お金要らない??」
私達は恐る恐るゲートを走らせた。
サイレンがなり赤のサイレン灯が点いた。
「もう行くしかない!」車を走らせた。
アメリカに着くなりパトカーのお世話にはなりたくはないが・・・It was no
choice.だった。

追ってくる車もなく(笑)無事に走り抜けた。
そして指定のExitで降りたがホテルが見えてこない。
焦った。
同じ場所を行ったり来たり。
電話しようにも小銭がない。
とにかく言われた場所を探すしかなかった。
2時間が過ぎた。
まだ見つからない。
私達は来た道を引き返した。
振り出しに戻った。
今度は高速道路を使わずに幹線道路を走った。
10分程車を走らせたであろうか?
ホテルらしき建物が見えたきた。
「シェラトンホテル」と文字が見えた。
「やったー!」
でも全然違う方向であった。
(後で、でたらめの地図だったことがわかる・・・悪気はなかったと思うが・・・)

ホテルのルームに着いた瞬間「後悔の念」が私に襲ってきた。
「こんな所に来るんじゃなかった・・・今から引き返そうか・・・」
「でも引き返したら皆の笑い者・・・」
私は連れてきた若者に「1年間北海道にでも行って隠れとこか!?」
と「半分以上本音」のジョークを力なく飛ばした。

 

VOL.1 【少年から学んだもの】

「スターティングホールは緊張するもの・・・」だが緊張は・・・楽しみでもある。

17歳で「全米ジュニア」のタイトルを獲ったブライアン.ハーマン(Braian Harman )は私に向かってこう言った。
「僕はトーナメントでプレッシャーを感じなくなったら・・・ゴルフを止める!」
私は思わず絶句した。

これは彼が2年前「USジュニア優勝」という快挙の後、一緒にラウンドしたスターティングホールでの会話である。
「ブライアン!君は緊張した事があるのかい?」と私。
TVで見ていた彼にプレッシャーを受けていた兆候が全く見られなかったので、私は不思議に思いこの質問をぶつけた。
何故なら、5フィートは残っていた相手のパーパットを簡単にコンシード(OKをだし)し、6フィートのバーディパットを4フィートもオーバーさせる強気のパットをする彼に解説者も唖然としていたものだ。
このときの彼の心理状態が知りたくて、先の質問に繋がった。

何気ない会話の中で発した言葉に彼の非凡さと将来への期待・・・
いや!言葉では書きつくせないほどの衝撃の「一言」だった。
そしてこうも言った「相手のミスで勝ちなくなかったから・・・」と
なんという少年だろうか?
マッチプレーではどんなプレーヤーでも対戦相手のミスを心のどこかでは少しは期待しているもの。
それが人間の性。
しかし彼はそれを微塵も見せない・・・潔い心。

17歳の少年から教えられたその一言をもっと早く知っていれば・・・
プレッシャーの中で自分のゴルフを見失って、苦渋を飲んできたあのプロテストは・・・

プロテストは年齢が高くなるほどに受けるプレッシャーも高くなる。
プレッシャーをうけても崩れない技術。
その技術習得のために「最後の賭け」と称して渡米の道を選んだ。
そして私は・・・そう!それをもっと早く知っていれば、アメリカには来なくて済んでいたかもしれない(笑)
 

私の最近のゴルフライフは・・・その後のゴルフライフは冒頭の言葉通り、緊張を楽しめるようになってきた。
逆に緊張感のないゴルフは本当につまらなくなってきたのである。
そして、その私もあと2年でシニアの声が掛かる。
緊張感を味わいたいだけの為に、シニアツアーのクォリファイに参加しようかしまいか・・・と不埒な考えが頭の中を過ぎる今日この頃です。

Toshi.Hirataの「気ままなアメリカ日記」と題して連載を引き受けさせてもらった私でしたが、さて?何を書いていいのかわからない。
悩んでいても仕方がないので、私の周囲では一番有名な(笑)彼の話をもってこようと思ったら・・・訳の解らないスターティングホールとなってしまったのです。
やはりスターティングは緊張します(笑)

【マサと私】

私の人生とってマサ(大東氏)とは・・・なくてはならなかった人、そして大きな役割を果たしてくれた人なのです。
10年前、彼の書いた1冊のミニツアーリポートがこの見知らぬ土地アメリカに、私の目を向けさせたのです。

38歳だった私は周囲の反対、嘲笑、好奇の目、Etc・・・(笑)と戦い、この見知らぬ土地にやってきました。
人間の運命は不思議なものです。
この時手に入れたビザは5年間有効だったのですが、申請は1年だけでした。
練習場には1年の休職という異例の措置をとって頂いた為、1年で十分だったからです。
ビザの有効期間を見て、「アメリカは俺に5年間も滞在させる気か?」と冗談で笑ったものです。
しかし、この5年間の有効ビザ。
このビザのお陰で私の人生がその後大きく進路を変えていく事になろうとは・・・この時は知る由もありません。

そして、マサの「四方山話」でスタートした彼の「青春クリップ」と同じ体験を私も繰り返したのです。
ただ少し違うのは、いや!大分違うのは・・・彼と違い、私の英会話能力はもっとお粗末だったという事。
トンチンカン物語は山ほどあります。
いや、これからも増えていくことでしょう!
10年たった今でもコメディ映画で笑うことが出来ないのですから・・・(笑)

彼と重複した内容になるかも知れませんが、私の体験記も次回お話したいと思います。